車のヘッドライト、自転車用のライト、室内の照明器具など・・・
購入する際には、その商品がどれくらいの明るさ性能を持っているのかが気になりますよね。
こういった時に、指標となるのが「光の強さを表す単位」です。
でも、実際の商品にはルーメン、ルクス、カンデラなどいろんな単位が示されており、単純に比較するのが難しいですよね。
実はこれらの単位、1つだけでは明るさの性能を評価することができず、3つから総合的に判断する必要があります。
ここでは、「この3つの単位ってどう違うの?」という疑問にお答えしていきます。
3つの違いを簡単に説明すると・・・
まず初めに3つの単位について簡単に説明すると以下のようになります。
光は360°の全方向に発せられますが、光源からの距離によって明るさが変わってきますし、同じ光源であっても照明器具の構造によっては角度によって届く光の強さが変わってきます。これらそれぞれの特性を表現するのが、3つの単位です。
- ルーメン :光源から出ている全方向 (360°) 光の総量 (光束)
- ルクス :照らされている部分の明るさ
- カンデラ :光源から出る特定方向への光の強さ
では、次から一つずつ見てきましょう。
光束:ルーメン(lm)
単位記号の【lm】はラテン語のlumen = 昼光 を意味し、自動車/自転車の照明などでよくみられる表記です。日本語では光の束 (たば) = 光束 (こうそく) と呼ばれます。
説明の通り、全方向への光の総量を表すため、ルーメンの値が大きい光源は「全体的に明るい」といったイメージになります。
照度:ルクス(lx)
単位記号の【lx】はラテン語のlux = 光 を意味し、家庭用の照明などでよくみられる表記です。日本語では照度 (しょうど) と呼ばれます。
ルーメンが光源から出ている光の総量を表すのに対して、ルクスは実際に照られされている部分の明るさを表します。
つまり、ヘッドライトが照らす地面、懐中電灯で照らす壁、LED照明が照らす床面 これらの実際に照らされている所の明るさがルクスで表されます。
感覚的にわかるかと思いますが、光源からの距離が遠くなると段々と暗くなってきますよね。
そのためルクス(照度)を考える場合には、その値が光源からどれだけ離れた所の値なのかを合わせて考える必要があります。
ルクス (照度) はカンデラ (光度) と光源からの距離がわかれば計算することができます。
※カンデラは次で説明します。ここでは明るさの単位ということで読み進めてください。
上の図では、例として1000cdの光源から1m、10mの地点でのルクスの値を比較しています。
同じ1000cdの光源でも、1mでは1000 lxあるのに対して、10mの地点では10 lxと1/100までルクスの値が大幅に減少しています。
そのため単に「この照明は1000lxですよ」とっても、どの地点での値かによって光源の性能が全く変わってくるのですね。
光度:カンデラ(cd)
単位記号の【cd】はラテン語で”ろうそく”を意味し、日本語では光度 (こうど) と呼ばれます。1cd は 大体ろうそく1本の光度と同じです。
※2019年5月に単位の定義が変わったという比較的ホットな単位なのですが、表現が変わったのみで意味するところは同じですので、ここでは深く立ち入らないことにします。
ルーメンは全方向:全体の明るさを示す指標だったのに対して、カンデラはある一定方向に放射される光の強さを表します。
例えば、今あなたが見ているディスプレイは画像の写っている一定方向に光を出していますよね(全方向だったら画面の裏側に光を出していることになります)。この時の明るさはカンデラで表現されます。
おわりに
以上、光を表す3つの単位について見てきましたが、これらの違いについてお分りいただけたでしょうか?
車のライトや家庭用の照明器具を買う際に頭を悩ませる光の単位、近年は消費者の混乱を招かないよう表示規格が統一されつつあるようですが、まだまだ様々な表記の商品が存在しています。これらの単位の違いを片隅に置いておくと便利ですよ。
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